ふっとぼーるを、気ままに…。

マンチェスターユナイテッドファン。好きな代表はドイツ、ドイツU-21。若手選手に無限の可能性を感じる。嫌いなクラブはとある白いクラブ。暇な時に読んで頂けたら嬉しいです。

赤い悪魔が描くべきは、ファン・ハール退任後の未来

 今シーズンのマンチェスターユナイテッドはどうだったろうか。3−5−2、4−1−21−2、そして4−3−3と変化していった。『Telegraph』によると負傷者数は計68回。常に万全の体制では望むことは出来なかったが、うまくいったフォーメーションの変化は皮肉にも負傷者の多さも要因の一つだ。すでにシーズンの終盤ではあるが、満足いく出来ではない。何よりもそれはファン・ハールも十分承知しているはずだ。今年はあくまでCL圏内フィニッシュ。シーズン終盤でエンジンがかかってきた。それを証明するものがマンチェスターシティにホームで4点叩き込んだ32節だ。ユナイテッドの調子の良さをそのまま反映した結果だろう。アシュリー・ヤングマルアン・フェライニフアン・マタクリス・スモーリングと波に乗っている選手が勝利の立役者となった。もちろん、得点者以外の全員が与えられた自分の仕事をこなし、ダービー5連敗を防ぐことが出来た。

 ただ、チェルシーエバートン相手に何もすることが出来ず、改めて絶妙なバランスの上に立っていることが判明した。不運は続き、ウェイン・ルーニーマイケル・キャリックと大黒柱がシーズン終盤まで欠場の可能性があり、再び危機的状況に晒されている。

 今シーズンのユナイテッドの特徴の一つにポゼッションがある。首位チェルシー相手には71%を記録した。シュートは15本でチェルシーより8本も多い。ところが枠内は2本でチェルシーと同等だ。もちろん枠内シュート数が全てではないが、正確なシュートが打てないと勝つことはできないのは間違いない。これも今期のユナイテッドの特徴だ。組織を重視するあまり、フィニッシュにアイデアが乏しく、あまり崩しが見られなかった。ペナルティエリアの手前でボールを回し、結局サイドに回りクロスを上げる…その繰り返しだった。これも崩しの一つで、フェライニの特徴を生かした結果といえばそうかもしれない。ただもちろんクロスに合わせるだけでは勝ち続けるのは難しい。

 もちろんファン・ハールには時間を与えるべきだ。ただ、ある程度将来を見据えてチームを作らなけらば、ハールからライアン・ギグスに移行する際、また一からチームの若返りを図らなければいけない。そうするとまた不必要に時間がかかる。ウェイン・ルーニーロビン・ファン・ペルシマイケル・キャリックと後釜を探さなくてはいけないだろう。アシュリー・ヤングや、アントニオ・バレンシア、ナニ、にもそう言えるかもしれない。ファン・ハールもそれを見越してかわからないが、パディ・マクネア、タイラー・ブラケット、アドナン・ヤヌザイ、サイディ・ヤンコ、アンドレアス・ペレイラ、トム・ソープ、ニック・パウエル、ジェシー・リンガードと多くの若手を起用した。そうそれなりにきたいはできるだろう。それでも新米CEOエドワード・ウッドワードの補強リストはある程度の年齢のビッグネームが目立つ。当分は厳しいかもしれないが、それでも期待の若手に投資するべきだ。ガレス・ベイルが抜けたトッテナムルイス・スアレスが抜けた後のリバプールをみても、大量補強が身を結ぶことは難しいかもしれない。

 来シーズンの優勝を目指すためには、ある程度個の力にもたよるべきだ。補強案得点力のあるFWとWGの獲得が必須だ。クリスティアーノ・ロナウドガレス・ベイルの名も上がるが新生オランダ代表の21歳にも気になるところだ。PSVのメンフィス・デパイだ。シーズン21ゴールで優勝の立役者になり、FKでも5ゴールと得点能力は高い。CFはどうするべきか。ウィルソンは今年センセーショナルな活躍を見せたハリー・ケインに続く選手として名高い。重要な役割を任されることになるのは間違いない。ただユナイッテッドには同等、もしかしたらそれ以上の選手がいる。現在ディナモ・ザグレブにローン中のアンヘロ・エンリケスだ。チリのA代表にも選出された21歳で、今シーズン16ゴールを記録している。ザグレブはもちろん完全移籍を狙っているようだが、ありがたいことに契約は進展していない。ハールとも相思相愛のようで、エディソン・カバーニなどに大金をかける必要はないだろう。

 MFは難しいところだ。ドルトムントイルカイ・ギュンドアンが契約延長をしないと発表した。『skysports』がユナイテッドとギュンドアンの契約合意を報じたすぐ後で、今後も何かしらの進展はあるだろう。ただ怪我体質の彼にプレミアリーグが合うかどうかは非常に心配な点だ。ポール・ポグバはたびたびユナイテッド愛を強調しており、連れ戻す価値もあるだろうし、可能性も高いだろう。アカデミーに刺激を与えることもできる。

 DFにもユナイテッドとの関係が噂される選手がいる。ドルトムントマッツ・フンメルスだ。今シーズンの出来は厳しいものかもしれないがそれでも世界最高のCBになれる人材だ。獲得第一号になりそうな選手はサウサンプトンSBナサニエル・クラインだ。HG枠で、今後のイングランド代表のポジションも約束されているはずだ。10日以内に結論を出すようなので非常に楽しみだ。

 次の夏の補強、その行動次第で5年のユナイテッドの運命が変わるといっても過言ではない。そのためにはローン中の選手、U-21の若手たちにも目を向け、若手に投資、必要最低限且つ的確な補強をするべきだ。

f:id:blue-bird7:20150501113130j:plain