ふっとぼーるを、気ままに…。

マンチェスターユナイテッドファン。好きな代表はドイツ、ドイツU-21。若手選手に無限の可能性を感じる。嫌いなクラブはとある白いクラブ。暇な時に読んで頂けたら嬉しいです。

攻撃における哲学のあり方とは

アーセナルVSマンチェスターユナイテッドは衝撃的なスタートで迎えた。アーセン・ヴェンゲルの作戦勝ちといったところだろうか。前半10分で2点。3点目をアレクシス・サンチェスがゴール隅に決め、もはやユナイテッドにはなすすべががなかった。マルシャルの個人技が一度だけ目立ったが、ユナイテッドは何もできなかった、というよりは何もさせてもらえなかったというほうがふさわしい。最終的に前半のポゼッションはほぼ互角となったが、前半20分はアーセナルが70%を記録した。こうなるとユナイテッドは戦術上何もできない。耐える時間に耐えることができなかった。ユナイテッドは今シーズン立ち上がりの失点の形が似ている。クラブ・ブルッヘサウサンプトンヴォルフスブルク。どれもユナイテッドは陣形が整っていなかった。共通している点はSB、CB間の連携不足からの崩しだった。ルーク・ショーやマルコス・ロホが怪我をしアシュリー・ヤングアントニオ・バレンシアによる急造DF陣だったかもしれないが、ユナイテッドの欠陥はおそらくDF陣より攻撃の点にあると感じる。むしろDFはここ数年に比べればいいほうだ。

もちろんこれは個人の見解にすぎない。攻撃陣の問題はここ10年で最悪の出来だと感じている。しかし、ファン・ハールは満足していただろう。これがいわゆる「哲学」なのだから。

第1にユナイテッドのアタックの仕方はまずポゼッションという大前提がないと成り立たない。新加入シュネデルランはこの点で、ハールの哲学に必要なピースとなる。逆に主導権を握られたらユナイテッドは何もできない。そこをついたのがアーセナルだ。ボールをユナイテッドに持たせず早いペースでボールを回し、そこからお得意の形に。それを何度も繰り返し、ユナイテッドは何度も「壁」を突かれ、一気に崩れ去った。

第二段階は全体的に圧力をかけることだ。ここでも新加入選手が役に立つ。バスティアン・シュバインシュタイガーだ。彼がピッチに入ると連続してユナイテッドの戦術通りの攻撃的な形になる。そこからワイドワイドに広がり、相手を散らしていく。

ファン・ハールの戦術において最も重要なのはここからだ。パスを繋げ繋げ、相手の出方を待つ。引きつけておき相手にスペースを与えるのだ。そしてそのスペースを利用する。個人的にはここに大きな問題があると感じている。そのスペースを利用するタイプの選手が非常に少ない。アンデル・エレーラぐらいだろうか。シュバインシュタイガーは「作る」役目を担っており、シュネデルランやキャリックも積極的に攻撃に参加するタイプではない。メンフィスとマタはサイドに散っており、中央にいるルーニーはあくまでボールをピッチ全体に供給している状態だ。ここでもアーセナルは見事に対策を講じた。味方選手間を非常に狭くコンパクトに、特にMF,DF間を非常に狭く、そして一直線にラインを作り、中盤からユナイテッドの選手層を押し出し、孤立させた。

確かに新加入マルシャルは新たなオプションとなっている。そこはプラスだ。ボールキープからの個人技や、ほぼゴールラインからの低いクロス。だがこれも若干19歳の出来次第だ。今の所褒めるところしかないが。

メンフィスについても書き加えておかなければならない。確かに個人技からのミスは多く、目に余るものがある。ただ彼を活かしきれていないのも確かだ。非常に自己主張が強いのはかつてのクリスティアーノも同じだった。

主にブリントのロングボールに関しては省略しておきたい。

アーセナル戦はもちろん、今季最悪な試合は3-0で勝利を収めたサンダーランド戦だ。ここを振りかえればユナイテッドの攻撃陣の弱点がわかると考えている。全くもって崩しが見えなかった。

結局のところユナイテッドがゴールを決めるにはあくまで相手次第で、前提が必要なのだということだ。アーセナルやシティのような崩しがほとんど見られていない。

 

果たしてこれが哲学なのか。少なくともマンチェスターユナイテッドに合う哲学なのか。大げさかもしれないがもしそうなら期待は持てない。少なくともユナイテッッドに合う形なのかどうか、問われる次第だ。