ふっとぼーるを、気ままに…。

マンチェスターユナイテッドファン。好きな代表はドイツ、ドイツU-21。若手選手に無限の可能性を感じる。嫌いなクラブはとある白いクラブ。暇な時に読んで頂けたら嬉しいです。

真の「退屈」なチームとは

 今年のプレミアリーグの優勝がほぼ確定した。ジョゼ・モウリーニョがまたひとつ自身の肩書きに加えることになる。終始ほぼ安定した試合を魅せた。「魅せた」というのは間違いかもしれない。やはり今年も「退屈だった。」と思うファンも多いはずだ。リバプールのロジャースからはバスを止めている、など揶揄されていた。失点数No.1はサウサンプトンチェルシーとは一点差。ところが現時点でのチェルシーの27という数字はアーセナルが無敗優勝を成し遂げた03-04シーズンは26、07-08のマンチェスターユナイテッドが優勝した22と比べても際立って少ないというわけではない。例年並みかむしろ歴代より若干多いかもしれない。守備戦術の一言で片付けるのは難しい気もする。モウリーニョへの「バス」批判はインテルVSバルセロナでも話題になったが、少なくとも今年は批判の対象にはならないはずだ。

 「バス」戦術は特に対ビッククラブの試合ではよく見られたような印象を受けた。終始攻めの姿勢も失点も少なかった。それでも負けることはなかったし、確実に勝ち点を重ねた。それが今年の優勝の要因だと個人的には思っている。試合の開始前からスペシャル・ワンの思惑どおりだった。対戦相手のサポーターからしたら退屈だったかもしれなが、一歩下がった立場から見るととても魅惑的に映った。チェルシーは守備的だったかもしれないが、ほかのクラブより完璧なのは間違いないし、優勝は優勝だ。批判するより先に守備陣を褒めるべきだ。

 批判がふさわしいはその他のチームだ。マンチェスターユナイテッドマンチェスターシティ、リバプールアーセナルはどれも優勝チームにはふさわしくなかったし、あまりにも好不調の波がひどかった。負傷者も要因のひとつかもしれないが、一年を通じて安定したパフォーマンスも出来ず、補強も完璧に当たったわけではなかった。特にブレンダン・ロジャースとマヌエル・ペジェグリーニには解任の噂が絶えなかった。来季に向けて何か変えていかないと、このままでは来季も優勝はチェルシーになるかもしれない。すべてにおいて、明確なプランを用意することが必要だ(別の記事で触れたいと思う)。今年のプレミアリーグのレベルが低いとの印象を受けたのは、他のチームのレベルが低かったからでもあるだろう。

 もうチェルシーはいままでのチェルシーではない。モウリーニョが帰ってきたのだ。そのことを自覚しないと今後も優勝は難しい。スペシャル・ワンの肩書きは増え続け、他のファンはフラストレーションが溜まる一方だ。そしてチェルシーはいつまでも「退屈」と思われ続けるだろう。